31、母との別れ

「あなたは、本当にいい仕事をしてるね・・・」

現職の時ではなく百福に取り組み何度目かの個展を行った時の母の言葉です。

女性は元来綺麗なもの可愛いものに心を奪われ目にした物に興味を示すので、その延長の言葉・・・だろうと考えていました。

勿論それもあるのでしょうが・・・「心を動かされる文字の力を感じる」と言う言葉には勇気を得たのを覚えています。

母親というものは幾つになっても子供の心配をしますね、私の母親もそうでした・・・「人の心配するより自分の心配したほうがいいのに・・・」子や孫ひ孫の心配ばかり・・・些細なことにも敏感で・・・本当に心配性・・・子供の頃はコワイと思ったこともありましたが・・・年を取るにつれ背は縮み本当に小さくなってしまいました・・・片手で持ち上げられるほどに・・・そんな体になっても人の心配ばかりしていました。

8月の暑い季節から本当に嫌がっていた病院に行きそのまま入院してしまいました。

高齢者の入院は、と言うよりある程度の治療や処置をしてしまうと・・・3ヶ月程しか病院へは置いてもらえません・・・その後は自宅かそれなりの病院へ転院させられてしまいます。

母はその3ヶ月を待つことなく約2ヶ月程で転院が決まりました。

本人は「転院」を「退院」と聞き間違えたようで、家に帰れると思っていたようです。

転院する時ストレッチャーで移送する専用車の中で、そばに座っていた私は何を言い出すかとてもナーバスになってました。

幸い混乱なく転院先に到着し手続きを済ませ、担当の医師の診断後の面接を受けました。

母が黙って転院を受け入れた理由が理解出来る程体調は良くないのだと知らされました。

転院してからも、看護師の方々に「お母さんは評判がとても良い」と知らされました。

いろいろな処置やケアをしてくださる方々に終わると必ず手を合わせ「ありがと・・・」と声を掛けていたそうです。そう言えばスパーなどで買い物をしてお釣りを貰う時もきちんと頭を下げて「ありがとうございます」と言ってからもらうような人でした。

最後まで人の心配ばかり・・・

私が子供の頃着ていた洋服は殆ど母の手作り・・・とても器用でしたがそれを見せたかった訳ではなく、単に貧乏で物がないので、古着の再利用等をする必要があったからです。今こんな話をすると「まー素敵なお母様・・・」などと言ってくださる方もいますが、とにかく私は既製品が着たくて仕方ありませんでした。母には申し訳ない。

それでも他人の幼いお子さんにまでセーターを編みあげていました。

私の子つまり孫達(二人共30歳を十分超えてますが)は母つまりおばあちゃんが大好きです。

とても優しく怒ったのを見たことが無い・・・と言ってました。

そんな母が暮れの21日明け方亡くなりました・・・・。

小さなからだでよく頑張りました。

法名 釋尼恵純(しゃくにけいじゅん)・・・家庭や人に恵まれ編み物などが好きで純粋な気持ちで糸を紡ぐと言う意味から授かったものです。


ゆっくり休んでください・・・そして本当にありがとう・・・・。

 

写真は母が「綺麗で可愛い」と言ってくれた作品です。

 

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コメント: 3
  • #1

    takashikuboi (土曜日, 27 12月 2014 08:53)

    心よりお悔やみを申し上げます。私も母を大切にしようと改めて思いました。

  • #2

    (月曜日, 29 12月 2014 20:58)

    心よりお悔やみ申し上げます。このメッセージからご母堂の姿が忍ばれます。
    ごゆっくりお休みください。

  • #3

    田代香子 (月曜日, 11 4月 2016 17:20)

    素敵なお母様ですね
    きっと今もお側にいますよ✨

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